脅威の面積 2021 10 31

書名 米中戦争
著者 宮家 邦彦  朝日新聞出版

 相手国がどんなに軍事力を持っていても、
戦争の意思がなければ脅威にならない。
 相手国が戦争の意思を持っていても、
軍事力が弱ければ脅威にならない。
 つまり、脅威は掛け算である。
脅威=軍事力×意思。
 ただし、軍事力は正確に測定できても、
「意思」や「意図」を測定するのは難しい。
 最近、「台湾有事」が語られるようになりました。
この有事が米中戦争の引き金になる懸念はあります。
 さて、台湾というと、
馬祖列島や金門島を知っている人は少ないでしょう。
 このような島は、地図で見れば、
中国大陸に隣接しているように見えます。
 この本によると、台湾有事において、
馬祖列島や金門島のみ侵攻して占領する。
そういうシナリオが考えられます。
 確かに、南シナ海の島々も、
いつの間にか、中国が実効支配するようになりました。
 いくら中国共産党の支配が強力でも、
台湾侵攻の失敗は、共産党統治の正当性を揺るがすでしょう。
 だからこそ、仮に中国包囲網が完成しても、
日本のように追い込まれて「真珠湾攻撃」を行うように思えません。
 ただし、やっかいな問題は、
今は、昔のように戦車やミサイルを使うとは限らないのです。
 つまり、「見えない戦争」があります。
具体的に言えば、サイバー攻撃のようなものがあります。
 そういうわけで、基本に戻って、
「脅威=軍事力×意思」を考える必要があります。
「意思」や「意図」は、綿密な情報分析が必要です。


















































































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